- つわりの3タイプ(吐きつわり・食べつわり・においつわり)とそれぞれの食事対策
- つわり中でも食べやすい食べ物カテゴリー別50選
- つわり期に絶対避けるべき食べ物・飲み物
- 葉酸・鉄分・カルシウムをつわり中に無理なく摂る方法
- 妊娠中に食べてはいけない危険な食材リスト(食中毒・胎児リスク)
- 水分が摂れないときの受診サイン
まず確認:あなたのつわりはどのタイプ?
つわりは一種類ではありません。自分のタイプを正確に把握することで、「なぜこの食べ物なら食べられるのか」の理由が分かり、他の食べ物への応用が効くようになります。
| タイプ | 主な症状 | 食事の基本方針 |
|---|---|---|
| 🤢 吐きつわり | 吐き気・嘔吐が強く、食べた後すぐ戻してしまう。空腹でも気持ち悪い | 冷たい・さっぱりしたものを少量ずつ。消化が良く胃に残りにくいものを優先 |
| 🍽️ 食べつわり | 空腹になると気持ち悪くなる。何か口に入れていると楽になる。体重増加に注意 | 低カロリーで腹持ちの良いものを常備。一度に食べすぎず「少量頻回」が原則 |
| 👃 においつわり | 料理の臭い・調理中の煙・特定食材の臭いで気持ち悪くなる | 加熱調理を避けて冷たい状態で食べる。無臭・淡白な食材を中心に選ぶ |
| 🌙 よだれつわり | 唾液が異常に増加する。飲み込むと気持ち悪い | 酸味のある食べ物(梅干し・柑橘類)でリセット。水より麦茶・炭酸水が飲みやすい場合あり |
つわり中に食べやすい食べ物:カテゴリー別おすすめ
先輩ママの実体験と栄養士の知見をもとに、「実際に食べられた」「症状が楽になった」食材をカテゴリー別に厳選しました。すべて試す必要はなく、自分が「これなら食べられそう」と感じるものから試してみてください。
🍚 主食・炭水化物系
| 食べ物 | 食べやすい理由 | 食べ方のコツ |
|---|---|---|
| 白ごはん(おにぎり) | においが少なく消化が良い。塩おにぎりは塩分補給にもなる | 冷めたおにぎりのほうがにおいが少なく食べやすい。コンビニおにぎりで十分 |
| 素麺・冷やしそば | のどごしが良くつるっと食べられる。冷たいので吐き気を抑えやすい | めんつゆをかけるだけでOK。加熱調理が苦手なときはそのまま水洗いで食べられる素麺が◎ |
| 食パン・クラッカー | 朝起きた直後、ベッドでそのまま食べられる。空腹感による気持ち悪さをすぐ解消 | 枕元に置いておき起き上がる前に食べると吐き気が軽減するという声が多い |
| お粥・雑炊 | 消化が良く水分も一緒に補給できる。胃への負担が最小限 | 市販のレトルトお粥を活用すれば調理のにおいゼロで食べられる |
🍎 フルーツ・水分補給系
| 食べ物 | 含まれる栄養素 | 効果・食べ方のコツ |
|---|---|---|
| いちご | 葉酸ビタミンC | さっぱりした甘酸っぱさが食欲を刺激。葉酸も含まれており妊娠初期に理想的な果物 |
| バナナ | カリウム葉酸糖質 | 皮をむくだけで食べられる手軽さが魅力。嘔吐で失われるカリウムを補給できる |
| キウイ(ゴールド) | ビタミンC葉酸 | 酸味の少ないゴールドキウイがおすすめ。はちみつをかけると酸っぱさが和らぐ |
| スイカ | 水分ミネラル | 水分量が約90%で食事で水分を補給できる。吐き気で水が飲めない時の代替に |
| オレンジ・みかん | 葉酸カリウム | 酸味が唾液を促し、においつわりで鈍った味覚をリセットする効果がある |
🥛 タンパク質・乳製品系
| 食べ物 | 含まれる栄養素 | 効果・食べ方のコツ |
|---|---|---|
| 豆腐(冷奴) | タンパク質カルシウム | においがほぼなく冷たい状態で食べられる。加熱調理不要で体調の悪い日でも手軽 |
| ヨーグルト | カルシウムタンパク質 | 冷たくさっぱり食べられる。フルーツと合わせると栄養価アップ。整腸作用で妊娠中の便秘にも◎ |
| 納豆 | 葉酸タンパク質鉄分 | においが苦手なケースもあるため、においつわりの方は避ける。食べられれば栄養価が非常に高い |
| チーズ | カルシウムタンパク質 | クラッカーにのせて食べると少量でも満足感あり。ただし加熱処理済みのものを選ぶ(後述) |
| 卵(温泉卵・茶碗蒸し) | タンパク質ビタミンB群 | 柔らかく飲み込みやすい。茶碗蒸しは水分補給も兼ねられて嚥下しやすい |
🧃 のど越し・スイーツ系
| ゼリー・ゼリー飲料 | 食べながら水分補給が同時にできる。市販の栄養補助ゼリーなら1袋でビタミン・カロリーを補給可能。食欲ゼロの日の「緊急対応」として常備を推奨 |
| アイスクリーム・シャーベット | 冷たさが吐き気を一時的に抑える効果がある。糖質・カロリー補給として有効。食べつわりの場合は食べすぎ注意 |
| ところてん・寒天ゼリー | 低カロリーで食物繊維が豊富。便秘気味の妊婦に特におすすめ。食べつわりで間食したいときの強い味方 |
| 梅干し・酸っぱいもの | 唾液分泌を促して口腔内をリセット。よだれつわり・においつわりで口の中が気持ち悪いときに効果的。ただし塩分過多に注意 |
つわり中・妊娠中に避けるべき食べ物
避けるべき食べ物には「つわりの症状を悪化させるもの」と「胎児への安全上のリスクがあるもの」の2種類があります。この2つを混同しないよう整理して理解しておくことが重要です。
🤢 つわりを悪化させやすい食べ物
| 食べ物 | 悪化しやすい理由 |
|---|---|
| 揚げ物・脂っこいもの | 消化に時間がかかり、胃に長く留まることで吐き気が長引く。脂質の消化過程で発生する臭いも症状を悪化させる |
| 辛いもの・刺激物 | 胃粘膜を刺激して嘔吐反射を誘発しやすい。胃食道逆流を起こしやすい妊娠中は特に注意 |
| においの強い食べ物(焼き魚・炒め物など) | においつわりのトリガーになる最大の要因。調理中の煙・蒸気だけで気分が悪くなる場合は調理を他の人に頼む |
| カフェイン(コーヒー・緑茶など) | 胃酸分泌を促進して吐き気を増強する場合がある。妊娠中は1日200mg以内(コーヒー約2杯)が目安。つわり中はデカフェに切り替えを推奨 |
🚫 妊娠中の安全上のリスクがある食べ物
| 食べ物 | リスクの種類 | 代替案 |
|---|---|---|
| 生魚・生肉(刺身・レアステーキ) | リステリア菌・トキソプラズマ感染リスク。胎盤を通じて胎児に感染する恐れがある | 焼き魚・蒸し魚・火を通した肉料理に切り替える |
| 大型マグロ・キンメダイ(水銀含有魚) | 水銀(メチル水銀)が蓄積しており、胎児の神経発達に影響する可能性がある | サーモン・しらす・ツナ缶(水銀少)を活用。厚生労働省の指針に基づき週1回以内の目安で |
| ナチュラルチーズ(カマンベール等) | 非加熱のチーズはリステリア菌が繁殖しやすく、流産・早産のリスクがある | プロセスチーズ・加熱済みクリームチーズは安全。ピザのとろけたチーズも可 |
| アルコール | 胎児性アルコール症候群のリスク。「少量なら大丈夫」という根拠はなく、妊娠中は完全に禁止 | ノンアルコールビール・ジュース・炭酸水で代替 |
| 生卵・半熟卵(サルモネラリスク) | 免疫が低下している妊娠中はサルモネラ食中毒リスクが高まる | 完全に加熱した卵料理(茹で卵・炒り卵・茶碗蒸し)は問題なし |
| 過剰なビタミンA(レバーの食べすぎ) | 妊娠初期にレバーを大量に食べると、過剰なビタミンAが胎児の奇形リスクを高める可能性がある | 週1回・少量なら問題なし。鉄分補給は小松菜・ひじき・プルーンで代替可能 |
つわり中でも摂りたい4大栄養素と食べ方
つわり中は「まず食べること」が最優先ですが、食べられる体調のときに意識して摂ると良い栄養素を把握しておくことで、回復期の食事選びが効率的になります。
| 栄養素 | なぜ重要か | つわり中でも食べやすい食材 | 摂取量の目安 |
|---|---|---|---|
| 葉酸 | 胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎など)の予防。妊娠初期に最も重要な栄養素 | ほうれん草・ブロッコリー・枝豆・納豆・いちご・バナナ・アボカド | 400µg/日が目標。食事で難しい場合はサプリメントで補完が推奨(厚労省) |
| 鉄分 | 血液量が増加する妊娠中は貧血予防のために通常の約1.5倍が必要。胎児への酸素供給にも直結 | 小松菜・ひじき・プルーン・豆腐・レバー(適量)・牛赤身・しじみ | 21mg/日(妊娠中期〜後期)。つわり中は無理せず、食べられる範囲で |
| カルシウム | 胎児の骨・歯・神経の形成に必須。不足すると母体の骨からカルシウムが奪われる | ヨーグルト・チーズ(加熱済)・牛乳・豆腐・小魚・しらす干し | 650mg/日。ヨーグルト1個(約120g)+豆腐半丁でほぼ達成可能 |
| タンパク質 | 胎児の臓器・筋肉・ホルモンの材料。妊娠中は通常より多くの摂取が必要 | 豆腐・卵・ヨーグルト・牛乳・鶏ささみ・納豆・ツナ缶 | 妊娠中期以降は+25g/日の追加が推奨。豆腐1丁+卵1個でほぼ達成 |
💧 ビタミンB6:つわり軽減に科学的根拠がある唯一の栄養素
ビタミンB6はつわりの吐き気を軽減する効果が臨床研究で報告されている栄養素です。アメリカ産婦人科学会(ACOG)もビタミンB6のサプリメント補充をつわり対策の第一選択肢として推奨しています。
| ビタミンB6を多く含む食べ物 | 含有量の目安 | 食べ方のポイント |
|---|---|---|
| 鶏ひき肉・鶏むね肉 | 100gあたり約0.6mg | 淡白でにおいが少なくつわり中でも食べやすい。蒸し料理・茹で料理で調理臭を最小化 |
| さば・まぐろ(赤身) | 100gあたり約0.5〜0.7mg | さばの水煮缶は調理不要で手軽。まぐろは水銀に注意して週1〜2回程度に留める |
| バナナ | 1本あたり約0.4mg | 皮をむくだけで食べられる手軽さが◎。エネルギー補給+ビタミンB6補給が同時にできる |
| 玄米・全粒粉パン | 茶碗1杯あたり約0.3mg | 白米より食べにくい場合もあるが、1日1食でも取り入れると継続的な補給が可能 |
今日からできる!つわり中の食事5つの工夫
「何を食べるか」と同じくらい重要なのが「どのように食べるか」です。産婦人科診療ガイドライン・管理栄養士の推奨と先輩ママの実体験から抽出した、実際に効果があった食事の工夫を5つまとめました。
| 工夫 | 具体的な方法と理由 |
|---|---|
| 工夫1 少量頻回で食べる | 一度にたくさん食べようとせず、2〜3時間おきに少量を食べるのが基本原則です。産婦人科診療ガイドライン2020年版でも「少量頻回の食事摂取」が明記されており、医学的に裏付けられた方法です。特に食べつわりの方は空腹になる前に口に何か入れることで気持ち悪さを予防できます |
| 工夫2 冷たく・常温で食べる | 温かい食べ物はにおいが強く揮発しやすいため、においつわりを誘発しやすいです。冷えた状態・常温に冷ました状態で食べると同じ食べ物でも臭いが少なくなり食べやすくなります。特に白ごはん・パン・麺類は冷めた状態が食べやすいという声が多いです |
| 工夫3 調理を最小化する | 調理中の熱・蒸気・においがつわりを誘発するため、できる限り加熱調理を減らすことが重要です。冷奴・バナナ・ヨーグルト・レトルトお粥・コンビニおにぎりなど「調理ゼロ」の選択肢を日常のレパートリーに加えましょう。パートナーや家族に調理を頼むことも積極的に検討してください |
| 工夫4 水分は「飲む」より「食べる」 | 吐き気がひどいときは水を飲もうとしても戻してしまうことがあります。そんなときはスイカ・ゼリー・ヨーグルト・果物など「食べながら水分も摂れるもの」を活用します。また炭酸水や麦茶は水より飲みやすいという方が多く、少量ずつ頻回に摂るのが基本です |
| 工夫5 食欲ゼロの日は「栄養補助食品」に頼る | 「今日は何も食べられない…」という日のために、ゼリータイプの栄養補助食品(ウィダーinゼリー等)を常備しておきましょう。1袋で約200kcal+ビタミン・ミネラルを摂取でき、飲み込みやすい液体状のため吐き気が強い日でも対応できます |
いつ病院に行くべき?重症妊娠悪阻の受診サイン
つわりの多くは妊娠16週頃に自然と落ち着きますが、一部の方は「妊娠悪阻(おそ)」と呼ばれる重症状態になることがあります。以下の症状が現れた場合は速やかに産婦人科を受診してください。
・体重が妊娠前から5%以上急激に減少している
・尿の色が濃い茶色・量が著しく少ない(脱水症状の可能性)
・立ち上がれないほどの倦怠感・めまい・立ちくらみが続く
・吐血・血混じりの嘔吐がある
・精神的に追い詰められている・日常生活が送れない状態
よくある質問(FAQ)
Q. つわりで全く食べられない日が続いています。赤ちゃんは大丈夫ですか?
A. 妊娠初期(特に8〜12週頃まで)は胎児が非常に小さく、必要なエネルギーも少ないため、ママが数日食べられなくても赤ちゃんへの直接的な影響は出にくいとされています。それより水分補給の方が重要です。ただし1日以上水分が全く摂れない場合は脱水症状の危険があるため、すぐに産婦人科を受診してください。
Q. 食べつわりで食べすぎてしまいます。体重増加が心配です。
A. 食べつわりは「食べていないと気持ち悪い」という症状のため、意図せず食べすぎてしまうことが多いです。対策として「低カロリーで腹持ちの良いもの」を常備することが重要です。ところてん・寒天ゼリー・カットフルーツ・こんにゃく・野菜スティックなど食べても太りにくいものを「つわり用スナック」として準備しておきましょう。体重管理は担当の産婦人科医と相談しながら進めるのが最善です。
Q. コーヒーは妊娠中に飲んではいけないですか?
A. 「完全禁止」ではありませんが、妊娠中のカフェイン摂取は1日200mg以内(コーヒーで約1〜2杯程度)が国際的な目安とされています。つわり中は胃酸の分泌を促進して吐き気を悪化させる場合があるため、できればデカフェや麦茶・ほうじ茶(カフェイン少)への切り替えを推奨します。紅茶・緑茶にもカフェインが含まれるため合算で考えてください。
Q. においつわりがひどく、夫の料理の臭いだけで吐いてしまいます。どうすればいいですか?
A. においつわりは妊娠中の嗅覚変化が原因で、意志の力でコントロールできるものではありません。調理は完全に他の人に任せるか、電子レンジ加熱のみにして加熱調理を避けることが有効です。どうしても一人で食事の用意が必要な場合は、マスク着用・換気扇全開・キッチンを極力冷やす状態で調理することで多少症状が和らぐ場合があります。コンビニ・冷凍食品・デリバリーをこの時期だけ積極的に活用することも選択肢の一つです。